アンガーマネジメント – 怒りの言動で後悔しないように、周りからの信頼を損なわないように、上手に感情をコントロールする
【研修Live|第12回】

必要なときは上手に叱れるように、必要が無いときは叱らずに済むように
喜怒哀楽とあるように、人間を含む動物にとって、怒りとは生きていく上で無くてはならない感情です。しかしながら、怒りに振り回された言動により、自分や相手を傷つけてしまっては元も子もありません。
感情表現の重要な一ピースを担う怒りをどのように扱えばいいのか、悩みを抱えているビジネスパーソンは多いのではないでしょうか。可能であれば、怒りのエネルギーをポジティブに変換して、自身の判断や行動へと繋げていきたいものです。
アンガーマネジメントは、ビジネス、スポーツ、プライベートなどさまざまな場面で活用することができる、現代を生きる我々には欠かせないノウハウと言われています。
怒らない、イライラしないことがゴールではありません。
必要なときは上手に叱れるように、必要が無いときは叱らないで済むように。そして、怒りのエネルギーをポジティブな言動に活用することがアンガーマネジメントだと理解しましょう。
■ アンガーマネジメントとは
- 定義 怒りの感情と上手に付き合うための心理教育や心理トレーニング
- 目的 怒らないことを目指すのではなく怒りを予防、制御して、ポジティブに活用する
アンガーマネジメントの発祥は、1970年代のアメリカです。怒りの感情と上手に付き合うための心理教育、心理トレーニングとして、当初は犯罪者のための矯正教育プログラムとしてスタートしました。
その後、その効果やメリットが注目されるようになり、人間関係のカウンセリング、アスリートのメンタルトレーニング、企業研修のテーマとして活用されるようになりました。
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怒りの原因は自分の中にある!「~すべき」が怒りを生む

嫌いな誰か、不快な出来事、役に立たないものは怒りの対象であり、怒りの原因ではありません。同じ相手、同じ出来事、同じもの、同じ状況に対して、怒る人と怒らない人が出てくるのはそのためです。
言い方を変えれば、自分の中の「~すべき」という譲れない価値観に相反するものと直面したときに、怒りは生まれます。
怒るか怒らないかは自分で選択していること、自分の中の「~すべき」が怒りの原因になっていることに気が付くことができれば、怒りは上手にコントロールしやすくなります。
自分の中の「~すべき」は、これまでの人生で育まれた経験、価値観、考え方に基づくものです。そのため、これをすべて否定することは、適切ではありません。むしろ、個性として持っておくべきものだと思います。
しかしながら、自分の中の「~すべき」は、世の中の基準ではありません。世の中の常識、業界の慣習、会社のルール、阿吽の呼吸などと大きな隔たりがある場合には、コンフリクトや怒りの火種となってしまいます。
そのため、周りとの大きなズレが生じないように、適宜適切な擦り合わせが必要となってきます。
■ 怒りとは?!
- 自分の中の譲れない価値観に相反するときに、自分が怒りを選択している
- 自分の中の「~すべき」が、怒りを生んでいる

自分の中にある「こうあるべきだ!」という譲れない価値観のことを、コアビリーフといいます。コアビリーフは、自分の期待や理想、あるべき姿、とも言い換えられます。
現実を前にしてコアビリーフが破られたとき、理想と現実のギャップ、価値観と現状のギャップから怒りは生じるものと言えます。
怒りを上手にコントロールするために大切なことは、自分のコアビリーフを押し付けるばかりでなく、相手のコアビリーフを尊重することです。人によって、コアビリーフの程度は異なることを受け入れましょう。
コアビリーフは時代や環境によって変化する、正解は無いことを理解することが重要です。
覚えておきたい、怒りの性質や傾向とは?!

怒りはどのような特徴で、周りにどのような影響を与えるのか。
デメリットや逆効果となってしまう前に、何がしかの対策を講じなければなりません。
■ 怒りの性質
怒りは周囲に伝染する
- 楽しい、嬉しい、という気分を表現する人がいると、その場は明るくなる
- 怒っている、イライラしている人がいると、その場はピリピリする
身近な対象ほど、怒りは強くなる
- 長く一緒にいる相手に対して甘えが出てきて、コントロール出来るのではないか、と思い込む
- 自分の期待通りにならないと、強い怒りをぶつけてしまう
怒りは高いところから低いところに流れる、また、怒りの矛先は固定できない
- 怒りは、力関係が強い人から弱い人に伝わる
- 怒りを感じた対象以外に、怒りをぶつけてしまう
■ 怒りの傾向
強度が高い
- 怒ったときに、自分でもコントロールが効かない状態になってしまう
- 怒りだしたら止まらなくなり、怒りを抑えられなくなってしまう
攻撃性を持つ
- 怒るたびに暴力をふるい、言葉で相手を傷つけてしまう
- 周りの物や、自分に対しても攻撃してしまう
頻度が高い
- いろいろなことに怒りを感じ、いつも不機嫌に見える状態になってします
- 怒ることが習慣となり、過去の出来事から怒りを感じてしまう
持続性がある
- 一度起こると、なかなか怒りが鎮まらない状態になってしまう
- 口をきかず、不機嫌な態度、恨みつらみを続けてしまう
怒りの性質、傾向をしっかりと理解して、効果的な対策、感情をコントロールするスキルを実践できるようになりましょう。
アンガーマネージメントは、衝動のコントロール!理性が働かない6秒間は、スキルを使って怒りを抑える

怒りが生まれてから理性が働くまでには「6秒必要」とされています。
言い方を変えれば、怒りが生まれた後の6秒間は、理性が働きにくい状態にあるのです。
怒りで失敗してしまうのは、理性が働かない6秒間に、衝動的な言動をしてしまうから。であれば、この6秒間さえしのぐことが出来れば、余計な言動で損することを無くせるのではないでしょうか。
■ 衝動のコントロールスキル
- スケールテクニック その場の怒りを数値化して、意識を怒りから採点の方に向かす、点数で客観視する
- コーピングマントラ 大丈夫!できる!など、言葉の力で怒りを落ち着かせる、切り抜ける
- ストップシンキング 白い紙、黒い布など、思考を強制的に止めて、何かをイメージする
- グラウンディング 怒りとは関係の無い、身近な物体や現在に意識を集中する
- カウントバック 数字を数えることで頭を使い、怒りに意識が向かないように、適度に頭を使う
- 深呼吸 呼吸を深く、長く、副交感神経を優位に、吸うよりも吐く方に意識する
理性が働かない6秒間は、スキルを使って怒りを抑えられるように。
衝動をやり過ごすコントロールスキルを身に付けて、実践できるようになりましょう。