【研修Live|第11回】

建設的な対立をいとわず、率直に発言できる厳しい組織に

最近注目の研修テーマに、心理的安全性があります。経営資源を最大限に活用することが求められている厳しいビジネス環境において、心理的安全性が高い状況を維持することは、成功、成長に繋がる重要なピースであると考えられています。

そもそも、心理的安全性とは何かについて、押さえておく必要があります。

心理的安全性とは、誰もが気兼ねなく自分の意見を発信でき、話し合えるという確信を皆で共有している状態、を表しています。

心理的安全性が注目されるようになったのは、2012年から4年間、Googleが行った「プロジェクト・アリストテレス」がきっかけです。

プロジェクト・アリストテレスとは、Googleが生産性の高いチームを作る方法を見つけることを目的に調査したもので、成功する組織を作るには5つの因子が必要であると公表しました。

また、他の4つの因子より、心理的安全性の重要度が極めて高いと結論付けました。

■ 成功する組織を作る5つの因子

  • 意義  全員が、自分にとってこの仕事は意味がある、と実感している
  • 効果  全員が、この仕事は良い変化を生むものだ、と確信している
  • 構造  目標、役割、実行計画が明確になっている
  • 信頼性  自分が仕事している間に、他のメンバーも質の高い仕事を時間内に仕上げてくれる
  • 心理的安全性  誰もが安心してリスクを冒し、意見を述べ、弱い部分もさらけ出せる

言い方を変えれば、心理的安全性が高く無ければ、生産性の向上、業績やパフォーマンスの最大化は図れない、ということです。

上記の結果を踏まえて、心理的安全性を高めるべく、さまざまな施策に取り組む企業が増えてきています。

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心理的安全性の誤解を解く、発言への恐れを払拭することからスタート

心理的安全性が高いとはどのような状態か、正確に理解しなければ、有意義な施策へと繋げることはできません。

心理的安全性が高い状態とは、誰でも何でも言いたいことを言えばいい、アットホームで気楽に過ごせる、という環境ではありません。

上司や先輩、部下や後輩に対して率直に言うべきことを言い合える、建設的な対立をいとわない厳しい環境こそ、心理的安全性が高い状態であると評価されます。

■ 心理的安全性の誤解

  • 気楽に過ごせるようになる、ではない!
  • 勝手に信頼関係が気付ける、ではない!
  • 職場環境がアットホームになる、ではない!
  • 自動的に外交的、社交的になる、ではない!

率直に言うべきことを言い合うには、お互いに発言し合うことが必要です。発言や提案が活発に行われている環境こそ、心理的安全性が高い状態であると言えます。

しかしながら、職場で発言、提案するには、それなりに勇気がいるものです。特に部下や後輩から上司や先輩に対して行う際には、相手からどう思われるかを心配してしまうのではないでしょうか。

上司や先輩から「何でも発言OK」と伝えたとしても、発言するリスク、発言する不安を当事者が感じている限り、発言しません。言い方を変えれば、発言への恐れを払拭しなければ発言せず、心理的安全性は低い状態のまま維持されてしまいます。

発言や提案が、発信者の不利益にならないように、発言への恐れや不安を払拭していきましょう。

■ 発言への恐れ

  • 無知だと思われる不安  職場で疑問、懸念を発言、質問する場合、無知だと思われるかも…
  • 無能だと思われる不安  自分の失敗、ミスを報告したり、助けを求めると、無能だと思われるかも…
  • ネガティブだと思われる不安  問題、間違いを素直に伝えたり、指摘すると、ネガティブだと思われるかも…
  • 邪魔をする人だと思われる不安  さまざまな発言が作業を止めることになり、邪魔だと思われるかも…

組織の中で、自分の考えた意見を言葉にして表すことを、ヴォイシングといいます。ヴォイシングは、心理的安全性の構築を促し、組織の持続的な発展の基盤になります。

ヴォイシングは、管理職やリーダーが率先して行うことが重要です。

組織の中で立場が上の方々は、発言しやすい雰囲気、環境を作るミッションを担っていると考えて行動しましょう。

心理的安全性がもたらす効果は多数!メリットがあるからこそ、優先的に取り組みたい

環境が目まぐるしく変化し、予測することが難しいVUCAの時代において、心理的安全性の重要性は増していく、と言われています。

心理的安全性がもたらす効果やメリットが多数あることは理解されており、心理的安全性を高めていくことに疑問の余地はありません。

■ 心理的安全性がもたらす効果①

  • リスクを回避する  できない、分からない、という事実を発言しやすい環境が、隠蔽、改竄などの不正を防ぐ
  • 多様化が促される  社内外の価値観を受け入れることで、創造性、アイデア、イノベーションを引き起こす
  • 判断の質が向上する  現場に近いメンバーの積極的な発言、提案により、実態に合った、迅速な意思決定が可能に
  • 学習する組織になる  新たな価値を生むには挑戦が必要、挑戦には失敗がつきもの、失敗から学び、改善し、成長する

■ 心理的安全性がもたらす効果②

  • 創造性の向上  リラックスして話せることで、新しく、有益で、価値のあるアイデアが生まれやすくなる
  • 学習行動の促進  問題や課題をいつけて、改善する行動を促進
  • 情報共有の促進  情報を提供しやすくなり、情報を共有すれば、職場に新たな学びが生まれる
  • 職務満足の向上  コミュニケーションの活性化、信頼関係の醸成により、組織、職場、仕事に価値があると思える
  • 省察をもたらす  安心して自分に向き合い、さまざまな情報を得て、自分自身を掘り下げて考えられる
  • 組織市民行動の促進  与えられた役割外の有益な行動が自発的に行われる
  • パフォーマンスの向上  互いに切磋琢磨しながら、イキイキと働くことでパフォーマンスが高まる
  • エンゲージメントの向上  仕事にやりがいを感じるようになり、ポジティブに取り組める

リーダーや管理職の方々は勿論、社員一人ひとりが意識し、行動することで、組織の雰囲気や環境は大きく変わります。職場の風通しが良くなり、円滑な情報共有、意思疎通がなされれば、仕事のパフォーマンスも向上するでしょう。

会社任せにせず、他人任せにせず、効果があると分かれば、心理的安全性を高める努力を継続的に。

自分にできることから、まずはスタートしましょう。

■ 心理的安全性を高める習慣

話す機会を増やす

  • 仕事の報連相ばかりでなく、旅行、趣味、関心事などプライベートな要素が入る雑談は効果的

質問、相談しやすい環境を作る

  • 相手を受け入れる、話を聞く姿勢を示すことで、情報共有、相互連携、意見交換が強化される

挑戦を歓迎する

  • 失敗を恐れず、新しいことへのチャレンジを促すことが、今後の改善やイノベーションに繋がる

共感や感謝の気持ちを持つ

  • 周りがいて、自分の仕事が成り立つ!周りへの感謝、毎日の当たり前に対する感謝を習慣に

多様な価値観を認める

  • 社内外の多様な考え、個性を受け入れてた上で、それぞれの良さを仕事に繋げる

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