利益を創り出すビジネスモデルか?!販売費及び一般管理費、営業利益、経常利益の定義と見方を理解する
【決算書|第3回】
売上に関連して発生する費用は販売費、会社運営に関連して発生する費用は一般管理費に分類される
企業は売上を計上するために、さまざまなコストを負担しています。商品、サービスを作り出すための費用は「売上原価」に入りますが、売上に関連して発生する費用、会社運営に関連して発生する費用は、「販売費及び一般管理費」として計上されます。
業種、業態によって、かかる費用、経費の種類はさまざまです。職場の身近な費用について、いくつ思い浮かべることができますか?
■ 販売費及び一般管理費 に入る費用の一部
- 広告宣伝費|売上アップのために、広告、宣伝に費やす分
- 法定福利費|社会保険料の会社負担分
- 福利厚生費|社員旅行、各種補助として社員に還元した分
- 減価償却費|保有している資産の価値が減少した分 など他多数
販売費及び一般管理費の枠組みの中で計上される経費のうち、「減価償却費」は他の経費とは異なる性質を持っています。
損益計算書に計上される重要な費用の一つであり、その定義を理解すれば、日々の資金繰りを把握できるようになるでしょう。
出金のない費用!押さえておきたい減価償却費の特異性
企業会計のルールでは、保有している資産の価値が減少した分を費用として計上する必要がある、と定められています。価値を減らして(減価)、無くしてしまう(償却)、そのための費用として、減価償却費が計上されます。
よって、そもそも固定資産を保有していない企業は、減価償却費を計上する機会はありません。ただ、実際にはほぼすべての企業が何がしかの資産を保有しているので、減価償却費は少なからず計上しています。
以下の事例で見てみると、よりリアルに理解できると思います。
■ 購入時
- 持っている現金と実物(例えば、車)の等価交換となるため、企業として保有している資産の総額に変更は無し
- あくまで現金と実物を等価で購入しただけであり、費用としては計上されない
■ 使用時
- 実物を使用すれば、傷つき、摩耗し、故障し、古くなり、動きが悪くなるため、その価値は減少する
- 価値の減少した分を、減価償却費として計上する
何年使用すると実物の価値はゼロになるのか(耐用年数)、毎年定額で価値を下げるのか、毎年定率で価値を下げるのか、減価償却費の計算方法は法律で定められています。
出金と費用計上のタイミングがズレることを想定して、資産の購入を検討しましょう。
事業力、現場のパワーが分かる営業利益
営業利益とは、売上総利益から販売費及び一般管理費を差し引いて計算される、営業活動に伴う利益のことをいいます。事業、ならびに組織として稼ぐ力を備えているかが分かり、損益計算書を分析する際には最も重要なポイントとして分析される利益です。
■ 計算式
営業利益率 = 営業利益 ÷ 売上高 × 100
■ 平成29年度産業別営業利益率 ※出所:経済産業省ホームページ
- 製造業平均 5.5%
- 卸売業平均 1.9%
- 小売業平均 2.8%
- 飲食業平均 3.7%
本業以外から得た収益と費用は、営業外収益、営業外費用に計上される
経営の根幹を担う事業、商品、サービスから得た収入、発生した費用は、営業利益までの過程ですべて計上されました。ここからは、本来の営業目的以外から得た収益、発生した費用を計上する段階に入ります。
営業外収益、営業外費用は、金融取引に関連して発生するもの、と理解しておけば、おおよそ間違いではないかと思います。
銀行に預金をしていれば利息が入り、銀行から借入れをしていれば金利を支払います。これらは本業とは関係なく発生するものであることから、収益となるものは営業外収益、費用となるものは営業外費用として計上します。
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資金マネジメントも含めた会社全体の力が分かる経常利益
経常利益とは、営業利益から営業外収益、営業外費用を加減して計算される、資金管理も考慮した利益のことをいます。
財務活動に伴う収支も含まれた利益となることから、企業活動全体を把握するには経常利益にフォーカスすると有意義です。
■ 計算式
経常利益率 = 経常利益 ÷ 売上高 × 100
■ 平成29年度産業別経常利益率 ※出所:経済産業省ホームページ
- 製造業平均 7.8%
- 卸売業平均 3.3%
- 小売業平均 3.0%
- 飲食業平均 4.0%
上記の産業別平均利益率で見てみると、営業利益率より経常利益率の方が高水準となっています。
企業が資金を潤沢に保有していることで、営業外収益として計上される金額が、営業外費用として計上される金額よりも大きくなっていることがその理由です。平成29年度時点においては、企業は手元資金を潤沢に有していることが伺えます。
【アーカイブ|決算書】
- 1|会計知識を備えて、数字を使えるビジネスパーソンに
- 2|損益計算書は、一年間の成績表
- 4|利益率の推移を見て、同業他社・業界平均と比較する
- 5|貸借対照表で会社の体調をチェックする
- 6|キャッシュフロー計算書で、信用力と安全性を検証する
- 7|キャッシュフローを、優秀、及第点、注意、懸念で評価する
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