【研修ライブ|第6回】

仕事やプロジェクトの目的を明確にして、PDCAで取り組む意義を確認する

仕事やプロジェクトに取り組む際には、まずは目的や目標を明確にすることが重要です。「PDCA」はその目的や目標を達成するための有効な手段として、多くのビジネスシーンで活用されています。

日常の業務において、PDCAという言葉を頻繁に耳にする方は多いのではないでしょうか?

■ PDCAの活用場面

  • 高い目標を達成したいとき
  • 新しいことに挑戦するとき
  • 戦略や施策を実行するとき
  • 人材育成や社員教育を推進するとき など

しかし、必ずしもPDCAが万能な手段とは限りません。

今が快適で、変化を促すほど悪くなく、今まで通りで結果を残せてしまう場合には、PDCAの必要性が薄れる傾向にあります。上手く機能しない場合には、原因究明と問題解決に取り組む必要があります。

PDCAを始めたら途中で止めず、PDCA自体が目的とならないように。当初の目標を達成するまで、PDCAを継続しましょう。

■ PDCAが上手に回らない原因

  • 目的や目標、計画を見失う
  • 従来通りのゴールを設定してしまう
  • 目的、目標、計画が作り込まれていない など

PDCAは4つのメインステップ、8つのサブステップで構成される

PDCAは4つのメインステップ、メインステップを細分化した8つのサブステップで構成されています。

目標実現に向けた計画を立案、十分な準備のうえで実行、結果を分析して原因を把握、処置是正と検証を行うのがPDCAの流れです。一つひとつのステップを、確実に進めていかなければなりません。

■ PLAN

  • 目標設定
  • 計画立案

企業理念、将来ビジョン、職場の方針などを考慮し、実現可能性のある目標を定めることからスタートです。できる目標ではなく、すべき目標を掲げて、目標達成に要する期間、期限の設定は必須です。

今まで通りで出来てしまう目標とすべき目標との間には、必ずギャップが生じます。このギャップを埋めるために必要な、具体的な施策や行動を計画しましょう。

■ DO

  • 準備
  • 実行

関係各所への根回し、協力者との調整、必要な経営資源の確保など、円滑に実行するための準備に取り掛かります。何がしかの変化が始まることで、周りからのハレーションが起こるのもこのタイミングです。

PDCAは、変化を起こして確実に目標を達成するための手段であることから、変化に伴うハレーションにも対応しなければなりません。また、周りを巻き込みながら進めていくことも重要な要素であるため、コミュニケーション力が問われる場面でもあります。

報連相の徹底、進捗状況の共有など、タイムリーなやり取りで一体感を醸成できるかがポイントです。リーダーが率先して取り組むべき、重要なタスクと言えるでしょう。

■ CHECK

  • 結果分析
  • 真因確認

当初に設定したすべき目標と実施した施策に伴う結果を評価し、ギャップを確認します。万が一ギャップが発生した場合には、その原因を特定し、分析しましょう。

ギャップの原因は一つではありません。複数の原因を考慮して、真因を特定することが重要です。

■ ACTION

  • 処置是正
  • 改善推進

真因が特定できれば、処置是正を行います。ブレインストーミングで複数の策を候補に挙げて、何が有効かを検証し実践する流れです。

PDCAの一周目が無事に終われば、二周目に突入です。より高い目標を目指して、職場の協働意識を向上させましょう。

PDCAのポイント!すべき目標を設定する

すべき目標とできる目標では、目標達成の難易度や取るべき行動は異なります。一人ひとりを意欲的に仕事に取り組ませるには、どちらの目標を設定すべきでしょうか。

実現不可能な目標を設定すると、スタート時点でモチベーションは停滞してしまいます。何をどのように頑張っても到達できないと理解した時点で、何もしないという選択肢が生まれてしまいます。

一方、すぐにできる簡単な目標を設定すると今まで通りでできてしまうため、発奮材料としては乏しい状況に陥ってしまいます。この場合も、士気は著しく低下してしまうでしょう。

一生懸命に頑張れば手が届く、努力を続ければ達成できる目標が好ましいのですが、その塩梅がとても難しいのです。

■ できる目標

  • 今までの方法、やり方を踏襲
  • 目標達成の難易度は低い
  • 過去志向

■ すべき目標

  • より効率的な方法、有意義なやり方に改善
  • 目標達成の難易度は高い
  • 未来志向

今まで通りで出来てしまう成果や実績のことを、囲い見込みと言います。できる目標≒囲い見込み、という理解でOKです。

囲い見込みの評価精度を高めることは、PDCAの成功に繋がります。すべき目標と囲い見込みのギャップを正確に把握できれば、効果的な計画を立案することができるからです。

難易度が高いすべき目標であるほど、囲い見込みの把握、計画の作り込みが重要になってきます。

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PDCAのポイント!行動KPIを設定する

PDCAの進捗状況や目標の達成度合いの確認のため、ベンチマークとなるKPI(重要業績評価指標:Key Performance Indicator)を設定することが一般的です。

KPIは2種類あり、それぞれ定義や使い方は異なります。

ビジネスの現場では、自発的に改善やコントロールができる行動KPIを重視する傾向にあります。

■ 行動KPI

  • 結果に至る行動に焦点を当てた指標
  • 「なぜ」を繰り返すことで真因を突き止めることができ、その後の行動を改善できる

■ 行動KPIの事例

  • 在庫管理の強化:欠品率を改善するため
  • 商品提供時間の短縮:待ち時間を短くするため
  • 営業訪問件数の最適化:アフターサービス向上のため など

■ 結果KPI

  • 結果に焦点を当てた指標
  • 結果に影響を及ぼす要因は複数あり、自分でコントロールできないものに改善の一手を打てない

顧客からの期待やニーズを行動KPIに反映させることで、具体的な成果へ直結させることも可能です。実際に行動する立場にある場合、その方が取り組みの意義をイメージしやすいのではないでしょうか。

顧客や周りから求められていることは何かを考え抜き、行動KPIを設定しましょう。

一つひとつの積み重ねが、他社との差異化へと繋がります。

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