【取組実績|第45回】 

株式会社オカムラ様へのファイナンス研修について、カリキュラムや研修の雰囲気をご紹介します

株式会社オカムラ様へ、企業内大学「オカムラユニバーシティ」の一テーマとしてファイナンス研修を実施しました。

先日の会計研修に引き続き今回も2時間のオンライン形式にて、現在価値修正、最適資本構成、コーポレートファイナンスの定義や活用方法などをインプットいただきました。

時間の都合上、グループディスカッションに取り組んでいただく機会を設けることはできませんでしたが、講師とのQ&Aや研修後の質疑応答を通じて、ファイナンスの基礎となる考え方や実務への活用方法をご理解いただけたのではないかと思います。

■ ファイナンス研修カリキュラム ※2024年度オカムラユニバーシティ

  1. コーポレートファイナンスの全体像
  2. 運用マネジメント
  3. 調達マネジメント
  4. ケーススタディ│不動産投資&M&A

研修冒頭は企業活動とお金の流れ、資金調達と資金運用の全体像を押さえた上で、コーポレートファイナンスが該当する部分についてご紹介しました。また、コーポレートファイナンスは、株主ファーストを是とすることが大前提にあることをご理解いただきました。

運用マネジメントでは、利益率、利益額、投資に対するリターンなど、儲けの判断基準を再確認しました。また、キャッシュフローの定義や時間的価値の考え方、現在価値修正の取り組み方についてインプットいただきました。

調達マネジメントでは、資金提供者が要求するリターンと資金調達者が負担するコストについてご紹介しました。負債コスト、株主資本コスト、CAPM、WACCについて、言葉の定義や計算方法についてインプットいただきました。

研修最後のケーススタディでは、ファイナンスの知識やノウハウはどのような場面でどのように活用されているのか、不動産投資とM&Aの場面をサンプルにご紹介しました。

今回のテーマは専門的であり、かなり内容を詰め込んだカリキュラムとなりましたが、コーポレートファイナンスの考え方を知る機会になったのではないかと思います。

儲けの判断基準とは?!利益率、利益額、リターン率のほか、ファイナンスを使って検証できるように

企業経営やビジネスモデルの収益性は、何がしかの基準を設けて良し悪しを評価します。利益率、利益額、投資に対するリターン、どれを重視するかは、業界の特徴や各企業、経営者による考え方に委ねられます。

■ 儲けの基準 

  • 利益率 売上に対して利益が占める割合
  • 利益額 利益の絶対額
  • リターン率 投下資本に対して利益が占める割合 ※投下資本を用いて、どれだけ利益を計上できたかが分かる

上記3つの基準は、すべて会計上の数字(決算書)に基づいて算出されるものです。一般的には、利益率が重宝されている印象です。

そして、ここにもう一つの判断基準、ファイナンスによる経済性の評価が入ります。初期投資額(出金)と毎年得られるキャッシュフロー(入金)を現在価値修正した上での合計額を比較して、儲かるか、儲からないかを判断していきます。

■ 現在価値修正の判断

  • 現在価値合計>初期投資額の場合 → 開始、実行、継続を選択
  • 現在価値合計<初期投資額の場合 → 終了、撤退、中止を選択

大規模な事業やプロジェクトは、現在価値修正(NPV)を用いて経済性を評価しています。その際に重要なポイントは2点あります。

■ 現在価値修正を行う際のポイント

  • キャッシュフローの実現可能性 
  • 割引率の設定 

キャッシュフローの実現可能性とは、将来獲得を予定するキャッシュフローをどれだけ正確に見積もることができるか、予測することができるか、ということです。

現在価値修正を行う際に、分子となるキャッシュフローが大きければ大きいほど、現在価値修正の合計額は大きくなります。そのため、目指す目的、望む結論のためにいかようにも甘く見積もることが可能です。

しかしながら、甘く見積もってしまうと将来得るものが得られず、そのもの自体が失敗に終わってしまうでしょう。そうならないよう、甘く見積もり過ぎず、かといって厳しく見積もり過ぎないように、バランスを考慮して予測していかなければなりません。

割引率の設定とは、現在価値修正を行う際の係数は根拠があって算出できているか、活用できているかと、ということです。実際には、WACC(最適資本構成:加重平均資本コスト)を割引率に採用するのが一般的です。

但し、WACCの算出にも恣意性が入る余地があります。割引率が低いほど、現在価値の合計額は大きくなります。一方で、割引率が高いほど、現在価値の合計額は小さくなります。

  • キャッシュフロー、割引率、硬すぎる予測や計算では前に進めず…
  • 一方で、甘い予測や計算は、失敗に繋がる可能性…

複数のシナリオ(良し、平均、悪しの3パターンなど)を想定して、最終的に判断しましょう。

ここまでできれば、ビジネスパーソンとしてファイナンスを活用できている、と言えるでしょう。

■ 研修のご相談は、ビズハウスへ

クライアント情報│株式会社オカムラ様

株式会社オカムラ

  • 設立 1945年10月
  • 本社 神奈川県横浜市西区北幸1丁目4番1号
  • 事業 オフィス環境事業、商環境事業、物流システム事業、パワートレーン事業ほか
  • URL ホームページを見る

株式会社オカムラは、人が活きる社会の実現をパーパスとして制定。豊かな発想と確かな品質で、人が活きる環境づくりを通して、社会に貢献することをミッションとしてグローバルに活動を広げています。

中期経営計画2025では、新たな需要の創出、変化に対応できる経営基盤の強化、事業を通じた社会課題への取り組みを柱に、着実に業容を拡大しています。

特に従業員への投資は積極的に行っており、5つのACTION(社内コミュニケーション施策の推進、人財育成施策の推進、人事制度施策の推進、デジタル技術の活用、オフィス環境施策の推進)で働きがい改革の実現を目指しています。

持続的な成長に向け、新たな需要の創出と変化に対応できる経営基盤強化を図るとともに、事業を通じて社会課題の解決に取り組む、注目の企業です。

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