自分に最適なストレスレベルを把握!心身の健康維持、活発な行動と能動的な意欲を醸成する
【メンタルヘルスマネジメント|第2回】
ストレスが無いことも、ストレスになる?!
部下、後輩、チームのメンバーが辞めないように気を配り過ぎてしまうことで、少々のことでは注意できず、叱れず、ストレスを抱えている方は多いのではないでしょうか?
- 仕事が上手くいかないから…
- 仕事にやりがいを感じないから…
- やりたい仕事を任せてくれないから…
- 他の業種、業界の仕事の方が向いているから… など
会社を辞める理由は人それぞれですが、マネジメントをする側は、仕事の質と量を的確に差配するスキル、職場環境をより良くしていく姿勢と行動が求めらえています。これらを継続して実践していかなければ、退職者数を軽減させることはできません。
優秀な人材の流出は、企業経営におけるリスクであり、解決しなければならない課題です。
「会社を辞める」とは、現状に満足せず、何かにストレスを感じて新しい環境に身を移す行動であるが故に、その手前でストレスを軽減させる手段を講じていきたいものです。
うつ病は心の肺炎、軽く考えて放置せずに早めの対処を
人は「4つのK」により、強いストレスを感じます。また、ストレスを消化できず溜め込んでしまうことで、心の健康を害するとされています。うつ病とは、強いストレスにさらされ続けた結果、心の健康を害している状態のことを表します。
■ 4つのK
- 過剰 必要な程度や数量を越えて多いこと
- 過度 度を過ごすこと、程度が過ぎること
- 過密 込みすぎていて、少しのゆとりもないこと
- 孤独 他の人々との接触、関係、連絡がない状態のこと
人へのフォローを定期的に行う仕組みを取り入れたり、産業医などの第三者機関によるサポートを導入するなど、メンタルヘルスマネジメントに対する注目は高まっています。しかしながら、心身共に健康な人であってもうつ病にかかる可能性がある、という理解も深めていかなければなりません。
うつ病は、予防ならびに早期の対処によって治すことが可能です。
部下やメンバーの様子に異変を感じたら、軽く考えて放置せずに、早めに声掛けを。
■ 心の健康をチェックする
- 決断できない
- 抑鬱気分が頻繁に起こる
- 食欲の増減が急激にある
- 不眠、または睡眠過多である
- 思考力、集中力が減退している
- 疲れやすく、気力が減退している
- 物事への興味、喜びが喪失している
- 何に対しても価値を見い出せず、罪責感を持ってしまう
上記で当てはまる項目が複数ある場合は、心の健康が崩れている可能性があります。早めに声掛けを行い、睡眠、休養、適度な息抜きを通じてストレスの発散と解消を促しましょう。
■ 研修のご相談は、ビズハウスへ
ストレスが無いのもストレスに?!自身に最適なストレスレベルを把握して、適度に負荷をかけることも大切
なるべくストレスを感じない環境で働きたい、生活したいと考えたことはありませんか?世の中の大半の方々は、ストレスのない場所や環境を望み、どうすればストレスを軽減できるかを考えて行動しているのではないでしょうか。
しかし、ストレスが無くなることはありません。
ストレスをゼロにできないことにストレスを感じてしまっては、元も子もありません。
一方で、悩みが無い、ストレスが無いという、他人が聞けば恵まれた環境であっても、「ストレスが無い」というストレスに繋がります。
多少のストレスはあった方が、毎日の張り合いが生まれる、毎日を一生懸命に生きていると感じる。
「張り合い」はモチベーションの原動力になります。多少の負荷は承知の上で、努力をしたら達成できる背伸びをした目標設定を通じて、メンタルヘルスマネジメントを進めていくことをお薦めします。
■ ストレスが小さいときの心と体の反応
- 退屈
- 不安
- 頭痛
- 胃潰瘍
- マンネリ感 など
■ ストレスが大きいときの心と体の反応
- 緊張
- 混乱
- 心筋梗塞
- イライラ感
- 自律神経の乱れ など
自身が大きなストレスを抱えているという自覚がある場合には、自ら発散、解消していくことで、心のバランスを保つようにしましょう。
すぐにできること、身近に取り組めるもの、一人で行うもの、仲間と行うものなどのカテゴリを設けて、それぞれ複数の方法を持つことが望ましいとされています。リラックスできる、楽しいと感じることを探してみてください。
■ 手軽にできる、お薦めのストレス解消法
- 旅行 五感を使って、体全体でインプット
- 読書 これまでの自身の範囲外の知見をインプット
- 日光浴 太陽の光を浴びて、さっぱりと
- サウナ 汗を流して、さっぱりと
- 適度な運動 体を動かして、さっぱりと など
心を健康に保つための3つのアプローチ!個人的な問題ではなく、職場全体で取り組むように
メンタルヘルスマネジメントは、個人でできることと、組織として取り組むべきことの2つに分けられます。
自身の振る舞いは環境に影響を与え、環境は自身に影響を与えることを考えると、個人と組織の両輪で取り組むことがベストです。
■ 個人でできること
個人でできることについては、マインドセットから具体的な行動まで、マイペースに取り組めるものだと思います。
但し、マインドセットについては、メンタルヘルスマネジメント研修や上司や先輩からのアドバイスなど、第三者からの学びや気付きがあった方が、腹落ちしたマインドセットになると思います。メンタルヘルスマネジメントのスタートは、一人ひとりのマインドセットから。
- ストレスを許容する姿勢を持つこと
- ストレスを解消する手段を備えておくこと
- あえてストレスを負荷することで、意欲を喚起する、行動を活性化すること など
■ 組織で取り組むべきこと
- 医療機関との提携
- 社内の相談窓口の設置
- 定期的なストレスチェック
- 外部のカウンセリングサービスの導入
- メンタルヘルスマネジメント研修の実施 など
但し、これらすべてに取り組めば問題を解決できるかといえば、そうではありません。
一人ひとりの感情にどこまで寄り添えるか、健康な人が健康を害している人をどこまでフォローできるか、健康を害している人を探し出すことはできるか、試行錯誤しながら取り組みを進めていきましょう。
尚、人間関係を原因として心の病を患ってしまう方が多い現状を踏まえると、企業として意図的に人間関係を構築させる、信頼関係を醸成させる場を設けることが有意義な施策だと感じています。
ビズハウスでは、メンタルヘルスマネジメントとコミュニケーション、2つの要素を備えた研修を実施しています。
【アーカイブ|メンタルヘルスマネジメント】
- 1|会社の成長は、社員一人ひとりの心と体の健康があってこそ!
- 3|適切な距離感、円滑な意思疎通に留意して、ハラスメントが生じない職場環境に
- 4|ストレスと共生する考え方にシフトして、心身の負荷を軽減する