メンタルヘルスマネジメント 第1回

世界156か国を対象に「世界幸福度調査」という世界ランキングが公表されています。2020年の第1位は3年連続でフィンランドとなり、例年通り、上位勢は北欧諸国が占める結果となりました。

因みに、ここ数年の日本のランキングを見てみると…

  • 2017年 51位
  • 2018年 54位
  • 2019年 58位
  • 2020年 62位 ※3年連続で順位を下げています

日本の順位を下げている要因としては、ポジティブ感情の低下、ネガティブ感情の増加という傾向があるようです。世界的にも同じ傾向は見られているようですが、それでも3年連続で順位を下げている日本の状況に対して、何がしかのテコ入れは必要ではないでしょうか。

また、このレポートでは、日本特有の文化や習慣、日本人の特徴なども挙げられています。

  • 豊かさのわりに、幸福を実感しにくい
  • 寛容さ、懐の深さが他国と比べて低い、乏しい
  • 家族以外とのネットワーク、社会との繋がりが弱い、悪い

テレワークや時差出勤の推奨、男性の育児休暇の取得など、官民一体となって働き方改革を進めている現在、クラウドサービス、ITネットワークを上手に活用できるかどうかが、変化に対する成否のポイントになりました。

クラウド化、デジタル化、IT化の利便性は高く、これからのビジネスでは必須のインフラになることは間違いありません。一方で、人と人との対面による関わりが減少し、人との繋がりが希薄になること。リアルタイムで管理される状況は個人に対する寛容さの低下に繋がり、窮屈さを感じさせてしまうことなど、負の影響も認識しておかなければなりません。

社員一人ひとりのメンタル状態、モチベーションのあり方は、会社の浮き沈みに大きな影響を及ぼします。メンタルヘルスマネジメントの必要性、重要性は、今後さらに増していくように感じています。

■ メンタルヘルスマネジメント ARCHIVE

目次

  1. 社員一人ひとりの心と体の健康が、会社の成長を左右する
  2. データで見る!メンタルヘルスマネジメントの実態と取り組み
  3. イライラしたり、疲労を感じるストレスの原因を特定する
  4. 自身の仕事やキャリアビルディングに関するストレスの原因を特定する

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社員一人ひとりの心と体の健康が、会社の成長を左右する

現在、テレワークの推進、時差出勤、福利厚生の拡充など、社員一人ひとりの健康管理と心のケアを行いながら、働きやすい環境を整備、提供する「働き方改革」が進んでいます。しかしながら、現在においても、心の病を患ってしまう方は決して少なくありません。

仕事の高度化、スピード化、そして専門性が求められる現在のビジネス環境において、実績を残さなければ評価されないプレッシャーに打ち克つのは並大抵のことではないでしょう。

一昔前は、大方のビジネスパーソンは組織の中で出世することが目標であり、幸せであるという価値観が一般的でした。しかし、最近は若い世代ほど肩書を持つことにこだわりはなく、好きな仕事に取り組みたい、またそういう環境を提供してくれる会社に就職することが一番の目標になっているように思います。

但し、自分のやりたい仕事に取り組める環境に身を置いたとしても、何事も思い通りに進むことはありません。

自分一人で完結できる仕事は限られており、必然的に人とのコミュニケーションや社内外との折衝も求められるでしょう。そこには、人間関係の良し悪しが色濃く反映されるため、時にストレスを感じることや、ハラスメントを受ける可能性(与えてしまう可能性)があります。

心身ともに健康で仕事に取り組む環境をどのように整えるか、一人ひとりが身の回りを改善する行動のすべてが「働き方改革」と言えるでしょう。一歩ずつの改善が、振り返れば大きな成果となり、会社の成長、拡大へと繋がります。

データで見る!メンタルヘルスマネジメントの実態と取り組み

厚生労働省のホームページには、メンタルヘルス、ハラスメントに関するデータや関連記事が多数掲載されています。その中から、気になるデータをご紹介します。 ※(出所)厚生労働省「平成29年 労働安全衛生調査(実態調査)の概況」

■ ストレスを相談できる相手及び実際に相談した相手(複数回答可)

上司・同僚

  • ストレスを相談できる 77.1%
  • 実際に相談した 71.0%

家族・友人

  • ストレスを相談できる 85.3%
  • 実際に相談した 81.7%

産業医

  • ストレスを相談できる 8.9%
  • 実際に相談した 2.7%

上記の結果からは、相談者は自分の身近にいる人に相談したい、または実際に相談していることが分かります。

産業医以外の医師、保健師または看護師、衛生管理者、カウンセラーなども相手候補に挙がっていましたが、それぞれ5%以下と低位な結果となりました。会社側がインフラを整備しても、実際にそれらを活用するのは少数なのです。

身近な人に一声かける、人の話を聞く姿勢を持つことが、何より最善の取り組みと言えるでしょう。

■ 強いストレスとなっていると感じる事柄がある労働者割合の推移

  • 強いストレスとなっていると感じる事柄がある 58.3%
  • 強いストレスとなっていると感じる事柄がない 41.4%
  • 不明 0.3%

■ 強いストレスとなっていると感じる事柄がある(58.3%)の内訳 ※主なものを3つ以内

  • 仕事の質・量 62.6%
  • 仕事の失敗、責任の発生など 34.8%
  • 対人関係(セクハラ、パワハラを含む) 30.6%
  • 役割、地位の変化など(昇進、昇格、配置転換など) 23.1%
  • 会社の将来性 22.1%
  • 雇用の安定性 14.0% など

直接的に仕事に関する項目が全体の一位、二位となりました。続いて、対人関係が第三位となっています。

仕事を進めるには多くの方々と信頼関係を構築する必要があり、その取り組みを継続しなければ成果に繋がりません。根気がいる付き合いは、時にストレスを感じさせているのかもしれません。

イライラしたり、疲労を感じるストレスの原因を特定する

ストレスを発生させる要因のことを、ストレッサーと言います。人それぞれ、ストレスを感じる要因は異なっており、人それぞれ、ストレスを発散させる方法を持ち合わせているのではないでしょうか。

そもそもストレスとは、外からの刺激に対して恒常性を保とうとする反応のことを言います。そのため、ストレスを感じたことはすべてが悪いこと、という訳ではありません。

心と体を正常に保つためのメッセージだと認識して、ストレスを上手にコントロールできるようになることが最適です。

■ ストレス要因

  • 物理的要因  音、光、温度、湿度、振動、風塵、放射線など
  • 化学的要因  金属、薬品、有機溶剤、臭いなど
  • 生物学的要因         細菌、ウイルス、花粉、ダニ、カビなど
  • 心理社会的要因  仕事、失業、災害、家庭問題、近隣問題など

■ ストレス反応

  • 身体反応  動機、息切れ、眩暈、頭痛、下痢、睡眠障害など
  • 行動反応  深酒、喫煙、過食、欠勤、遅刻、口論、暴力など
  • 心理的反応  緊張、不安、焦燥、抑鬱、気力低下、神経過敏など

自分にとってはストレスと感じなくても、周りの人はストレスと感じることは多々あることを忘れずに。

自身の仕事やキャリアビルディングに関するストレスの原因を特定する

週休2日のビジネスパーソンの場合、一週間の多くの時間を仕事や仕事に関することに費やしています。充実した人生を歩むには、仕事の充実が得られなければ達成することはできません。

  • 毎日の就労で生じる心身への負荷、圧迫はありますか?
  • ある場合には、その原因を特定し、解決策を講じていますか?

■ 人間関係に関するストレスの原因

  • 上司、先輩との付き合い
  • 部下、後輩との付き合い
  • セクシャルハラスメント
  • パワーハラスメント
  • 孤立化 など

■ 業務に関するストレスの原因

  • 業務過多、または過小
  • 責任過大、または過小
  • 業務の煩雑化
  • 終わりのない競争
  • 行き過ぎた成果主義 など

■ 組織風土に関するストレスの原因

  • 曖昧な期日管理
  • 絶対的な主従関係
  • 組織の方針に疑問
  • 礼儀、配慮、敬いの無さ
  • いつまでも歯車として働かされる など

■ キャリアに関するストレスの原因

  • 解雇
  • 配置転換
  • 単身赴任
  • 昇格、または降格
  • 仕事と能力の不整合 など

仕事やキャリアビルディングに関するストレスの原因は、上記の通り、大きく4つに分類されます。

ストレスを感じることがあれば、その原因を特定して、早期に解決するようにしましょう。

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