市場をリードするビジネスモデルを構築する

経営計画策定 第2回

  1. これからどのように成長、拡大させていくか、現状分析を踏まえた成長戦略を練る
  2. すでに存在する市場で大多数と戦うか、リスクを取って先行者利潤を狙うか、戦う市場を判断する
  3. 限りある経営資源を効果的に配賦する
  4. 相対的にユニークなポジションを築いて、競合への優位性を確保する
  5. 個々の事業、組織、商品・サービスの現状に応じて、個別に戦略を策定する

■ 経営戦略策定 ARCHIVE

1.これからどのように成長、拡大させていくか、現状分析を踏まえた成長戦略を練る

前回の記事で、外部環境、内部環境の分析結果から、どこの誰に、何をどうやって提供するのか、事業ドメインの定め方まで進みました。次に、それら事業ドメインの特徴を踏まえて、今後どのような成長戦略を描くのか、その考え方やフレームワークについて書いていきたいと思います。

成長戦略を考える際の代表的なフレームワークに、アンゾフの成長戦略があります。

「市場・顧客」「商品・サービス」の2軸を使い、それぞれ「既存」または「新規」のどちらにアプローチするかによって、今後取るべき施策のベースとなる指針が導き出されるものです。

■ 「既存」の市場・顧客に、「既存」の商品・サービスでアプローチ

スケールメリットを活かせるように、市場への浸透を目指した施策を進めましょう。

■ 「既存」の市場・顧客に、「新規」の商品・サービスでアプローチ

クロスセルで対応できる基盤を持つために、新商品、新サービスの開発を進めましょう。

■ 「新規」の市場・顧客に、「既存」の商品・サービスでアプローチ

販売チャネルを拡充するために、新市場の開拓を進めましょう。

■ 「新規」の市場・顧客に、「新規」の商品・サービスでアプローチ

M&Aなどを活用しながら、多角化を図りましょう。

将来へのビジョン、リーダーとしての考え方、環境の変化に伴い臨機応変に戦略を組み立てられる柔軟性を持つことはとても重要です。自社の成長、拡大に有意義な戦略、アプローチについて考えてみましょう。

2.すでに存在する市場で大多数と戦うか、リスクを取って先行者利潤を狙うか、戦う市場を判断する

市場を説明する際に使われる言葉として、レッドオーシャンブルーオーシャンがあります。

■ レッドオーシャン

すでに多くの競合が存在し、過当競争、価格競争に陥りやすく、低利益(率)が特徴の市場のことをいいます。

■ ブルーオーシャン

市場は小規模ながらも競合するプレイヤーは少数で、付加価値の高い商品、サービスを提供することで高い利益率を確保できる市場のことをいいます。

一見、ブルーオーシャンの方が利益を獲得する機会は多いように感じますが、ブルーオーシャンで戦うには、誰にも見つかっていないブルーオーシャンを見つけなければなりません(自らブルーオーシャンを作らなければなりません)。

結局ブルーオーシャンを見つけられず徒労に終わってしまう場合もありますし、仮に見つけることができたとしても、市場を拡大していくためには相応の資源の投入は必要不可欠です。成長、拡大に繋がるかどうかは分からない状況において、リスクを取って果敢に挑戦できるか、経営資源を大胆に投入できるか、企業としての覚悟と判断力が問われます。

一方、あえてレッドオーシャンで戦う判断を取る場合もあります。

勝者がいない激戦する市場において、競合との差異化を図り存在感を出していくことも一つの戦い方です。すでにでき上がっている市場であるが故に、安定したニーズが見込め、ルールや枠組み、競合の状況を事前に把握し対策を講じることができます。また、旧来の手法、手段、考え方とは異なる「何か」を提供することができれば、市場に新しい風を吹かすことも可能かもしれません。

ブルーオーシャンであってもレッドオーシャンであっても、市場のニーズに合った商材を提供すること、競合との差異化を図り存在感を出すことは必須です。ブルーオーシャンはどこにあるのか、レッドオーシャンの中にブルーオーシャンを作ることができるか、どの市場で勝負するかを冷静に見極めて判断しましょう。

■ 戦う市場を判断するポイント

市場

  • 限られたパイを争う競争市場か?
  • 無限に広がる成長市場か?

商品

  • いつでもどこでも買える商品か?
  • 今ここでしか買えない独自の商品か?

価格

  • 価格下落や値引き合戦は激しいか?
  • 独自の価値に基づいた値付けか?

流通

  • 流通主導の商慣習が確立されているか?
  • 商慣習作りの主導権を握れるか?

利益

  • 消耗戦で利益が出にくい環境か?
  • 他社の参入まで自社の利益を確保できるか?

3.限りある経営資源を効果的に配賦する

一企業、一組織、一チームが使える経営資源には必ず上限があります。経営資源とはヒト、モノ、カネ、情報、時間、知的財産、そして意欲の7つであり、これらの限られた経営資源をどこに投入するか、全体最適、全体バランスを考慮して判断しなければなりません。

プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントと呼ばれるフレームワークは、経営資源を投入すべき商品、サービスを判断する際に活用されています。事業、チーム、エリアなどを「問題児」「花形」「負け犬」「金になる木」に判別することで、それぞれの実態を明確にしていきます。

■ 問題児

  • 新商品、新サービスを販売する時点において、市場成長率は高いものの未だ市場シェアを大きく獲得できていない
  • 市場シェアは低い、市場成長率は高い商品、サービス

■ 花形 ※大胆に経営資源を投入する

  • 市場シェアを獲得し始めた商品、サービス
  • 市場シェアは高い、市場成長率は高い商品、サービス

■ 負け犬

  • 経営資源投入後に結果が出ない場合には、撤退を判断する
  • 市場シェアは低い、市場成長率は低い商品、サービス

■ 金になる木

  • 一定の市場シェアを獲得して利益を計上できるようになれば、そこで得た資金を「問題児」「花形」に振り分ける
  • 市場シェアは高い、市場成長率は低い商品、サービス

4.相対的にユニークなポジションを築いて、競合への優位性を確保する

競合にはない価値、自社にしかできない価値を創出し提供できなければ、業界内における差異化を図ることはできません。個性、独自性を認めてもらうには、競合がどのポジションにいるかを把握した上で、競合とは異なるポジションを取れるかどうかがカギとなります。

  • 低価格 or 高価格
  • プレミアム or カジュアル
  • デザイン重視 or 機能重視 など

さまざまな基準を用いて競合のポジションを把握しましょう。競合が展開していない「空白の場所」を見つけることができれば、そこが競合に対する優位性を確保できる市場となるかもしれません。

但し、「空白の場所」を見つけるのはそう簡単ではありません。どの企業もより大きな「空白の場所」を探しており、どのポジションであっても他社との競争から免れることはできないことは、しっかりと認識しておく必要があります。

■ コトラーの競争地位戦略

業界1位 / リーダー フルライン戦略

全方位で品揃えして市場全体をカバーし、低コスト、流通の優位性を確保する

業界2位 / チャレンジャー 差異化戦略

差異化した商材で特定の顧客を狙い、品質、魅力で勝負する

業界3位以下 / フォロアー  模倣追随戦略

トレンドに迅速に対応し、コストと品質のバランスを売りに販促する

下位集団 / ニッチャー 専門家戦略

大手が狙わない特定の商材で顧客を掴み、利潤を確保できるコストで少量生産する

5.個々の事業、組織、商品・サービスの現状に応じて、個別に戦略を策定する

財務、技術開発、マーケティング、人材育成など、個々の現状に応じてより詳細に戦略へと落とし込みましょう。ベンチマーク、KPI、数値を上手に取り入れた内容にまとめられれば、客観性、明確化が担保されてとても有意義な戦略になります。

ここまでの一連の落とし込みが完了すると、次はどのように行動に移していくか、どのように展開していくか、どのようにビジネスモデルへ反映させていくかについて、検討に入ります。

     

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