SWOT分析を経営に活用する

経営分析 第3回

  1. SWOT分析を通じて外部環境・内部環境を把握して、認識を共有する
  2. 自社の強みの中で、最も重要で、圧倒的な力となるコアコンピタンスは何か
  3. 分析結果をもとに、戦略の方向性を導き出す
  4. 目的を見失わず、それぞれが置かれた環境で目標に向かって協力して行動する
  5. SWOT分析を組織、会社を見つめ直す機会に、コミュニケーションの機会に!

■ 経営分析 ARCHIVE

1.SWOT分析を通じて外部環境・内部環境を把握して、認識を共有する

SWOT分析とは、外部環境要因(自社ではコントロールできない)を「機会(チャンス)」と「脅威(ピンチ)」の視点で、内部環境要因(自社でコントロールできる)を、「強み」と「弱み」の視点で分析し、将来への戦略の方向性を導き出すフレームワークです。

これまでの記事では、PEST分析、5フォースにて外部環境を、7つの経営資源にて内部環境を分析することを推奨しました。但し、初めからSWOT分析のフレームワークを使ってもOKです。その際は、外部環境、内部環境の順番で分析を進めていきましょう。

■ 外部環境要因を分析する

  • 拡大、拡張が見込めるチャンスの状況か?
  • 守りを固める、撤退を考えなければならないピンチの状況か?

グローバル化の進展、貿易摩擦、コト消費の拡大、女性の社会進出、少子高齢化による国内市場の縮小、自然災害など、国内外のさまざまな変化、摩擦、対立は、自社にとって果たしてチャンスでしょうか、それともピンチでしょうか?

■ 内部環境要因を分析する

  • 経営資源に焦点を当てた優劣(強み、弱み)を判断する
  • 力、技術、有形資産、無形資産に焦点を当てた特徴を把握する

グローバルな販売網、最新のインフラや設備、ブランド力、新商品開発力、社員のモチベーション、チャレンジ精神など、自社の強みとは何か、強みと思っていることは本当に強みと誇っていいものか、改めて確認してみましょう。

2.自社の強みの中で、最も重要で、圧倒的な力となるコアコンピタンスとは何か

内部環境要因を分析した結果、自社の一番の強みは何でしょうか?

競合他社には真似できない能力、同業他社を圧倒的に上回るレベルの能力のことを、コアコンピタンスといいます。評価する時点の環境や個々人の認識の違いによって、コアコンピタンスの捉え方は変わります。

■ コアコンピタンス

  • 耐久性  より長持ちに、小型に、軽量に、使い易く改良を重ねているか?
  • 希少性  他社が容易に真似できないものか?
  • 移転可能性  他の商品、サービスへの展開、転用は可能か?
  • 代替可能性  他の商品・サービスでは代えが効かないものか?

自社内にコアコンピタンスが複数存在していても、まったく問題ありません。

また、一つのコアコンピタンスに固執せず、第二、第三のコアコンピタンスを探し出す、新たに創り出すことが重要です。

3.分析結果をもとに、戦略の方向性を導き出す

外部環境要因を「機会」「脅威」に、内部環境要因を「強み」「弱み」に分類しました。この結果をクロスさせることで、今後の戦略の方向性を導き出すことができます。

SWOT分析の結果から、攻めか守りかの戦略の方向性までを導き出すフレームワークのことを、クロスSWOT分析といいます。

外部環境要因の「機会」「脅威」を横軸に並べ、内部環境要因の「強み」「弱み」を縦軸に並べてみてください。そして、自社の置かれた外部環境は機会か脅威か、内部環境は強みか弱みかを判断しましょう。

ベクトルを同じ方向に!

自身が判断した2つの結果をクロスすると、以下のいずれかの組み合わせに当てはまります。

強みを活かして、拡張を志向する

  • 強み×機会  自社の強みを機会にぶつけて、事業強化、事業拡大を図る積極攻勢のタイミング
  • 強み×脅威  強みを活かして、分野の絞り込み、エネルギーの使い方を考える差異化のタイミング

弱みを補完して、全体を底上げする

  • 弱み×機会  弱点を克服して、取りこぼしが無いように機会を捉える段階的施策のタイミング
  • 弱み×脅威  最悪の事態にならないように手を打つ、防衛・撤退のタイミング

ここで得られた戦略の方向性をベースとして、具体的な施策の立案に入ります。

4.目的を見失わず、それぞれが置かれた環境で目標に向かって協力して行動する

企業活動は、何をするにも相応の経営資源の投入が必要であり、結果が判明するまでには時間がかかります。取るべき施策を幅広くイメージできるか、具体的にどの施策を取るべきかを判断できるかが、施策立案におけるポイントです。

施策を立案する際は、攻め(投資)か守り(回収)か、短期、中期、長期でイメージすると分かり易く整理できます。使える経営資源とアウトプットの期限を定めて、どのような施策を取るべきかを考えていきましょう。

変化に変化で対応する力を持つ!

尚、幅広いイメージとは、言い換えれば、企業活動の選択肢をどれだけ多く持っているか、ということです。攻めでも守りでも、使える選択肢を多く持つことは、急な変化にも対応できる力の証であり、評価すべきスキルです。

知見の積み上げと新しいことへ挑戦する姿勢、失敗を糧にして次に繋げる行動は、常に続けるようにしましょう。

5.SWOT分析を組織、会社を見つめ直す機会に、コミュニケーションの機会に!

SWOT分析、クロスSWOT分析は、現状を把握して将来を考える際には、とても有意義なフレームワークです。

  • 自社の経営状態を確認したい
  • 事業計画を立案、策定したい
  • 所属する部署の認識を一致させたい
  • 自分自身を自己分析したい など

さまざまな場面で活用することができると思います。

尚、SWOT分析を含めたさまざまな分析フレームワークは、その運用の仕方によって得られる効果は異なります。何を目的として分析をしているのか、フレームワークの選択は適切か、目的と効果を確認した上で進めるようにしましょう。

    

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