新入社員研修講評|素直、真面目、穏やかさが目立つ一方で、周りとのコミュニケーションは消極的な印象
【新入社員研修講評|2024年度】
2024年度も多数の新社会人の皆様へ、新入社員研修を実施しました
毎年4月の第一週と第二週は、研修講師は一年間で最も繁忙な時期です。準備を万全に、体調を整えてこの2週間を乗り切っている講師は多いのではないでしょうか。
通年採用に取り組む企業が増えてはいるものの、国内の教育機関の卒業は年度末(3月末)に集中しています。それゆえ、年度の初めに多数の新入社員を迎い入れる採用スケジュールは、日本特有の慣習として今後も続くのではないでしょうか。
さて、2024年度も新入社員研修をご依頼いただき、4月上旬から中旬にかけて連日の登壇となりました。先方事務局のサポートをいただきながら、すべての開催を対面形式で行い、スケジュール通りに無事に終えることができました。
以下、研修講師から見た今年度の新入社員の印象、感想などを書いていきたいと思います。
新入社員の特徴は、毎年異なります。自社の新入社員との違い、また、来年度の新入社員研修をご検討する際に、ぜひご参考ください。
■ 研修のご相談は、ビズハウスへ
自分のペースを守りたい、相手には深入りしない、守備固めを第一優先に考える傾向
2024年3月に卒業された方々は、学生生活最後の数年間はコロナ禍の真っ只中にありました。その間はオンラインによる授業が主体となり、対面による人との関わりを控えた生活を送っていたのではないかと思います。
それが理由かは定かではありませんが、今年度の新入社員は例年以上に素直、真面目、穏やか、といった印象を受けました。また、自分だけが突出することを嫌い、周りと同じように、状況を察して行動する場面が多く見受けられました。
一方で、一日研修に体力が持たず、途中で集中力が途切れてしまった方々も散見されました。また、研修時間外でのコミュニケーションは消極的で、同期との繋がりを構築する意欲や行動は少々乏しかったように感じました。
■ 今年度の新入社員の特徴&印象
- 自分が出来る、自分が見えている範囲内において
- 相手に類が及ばないように、周りからとやかく言われないように
- 自分のペースで黙々と、一生懸命に取り組む
「元気」という観点からは、多少の物足りなさを感じてしまうかもしれません。しかしながら、素直さ、真面目さの観点では、真摯に仕事に向き合うための土台はすでに備わっていると言っても過言ではありません。
今回登壇した新入社員研修では、時間をかけて以下のメッセージを送りました。
ビジネスパーソンとしてのコミュニケーションのあり方、繋がりを広げる重要性についても学ぶ機会になったのではないかと思います。
■ 新入社員研修で伝えたメッセージ
- 仕事は自分一人では完結せず、仲間と協働してアウトプットを創り出す
- 仕事を円滑に進めるには、自分を知ってもらうこと、相手を知ることからスタート
新入社員が配属されたら、ビジネスマナーや仕事のイロハを教えることからスタート
一連の研修が終了すると、新入社員の方々には辞令が交付されます。どこでどのような仕事に取り組むのか、期待と不安が入り混じった感情を持って、各自配属先へと向かうことになります。
一方の新入社員を受け入れる側も、万全の準備が必要です。一人前のビジネスパーソンに育てる重要なミッションとして、責任をもって引き受けなければなりません。
OJTでは、ビジネスマナーや業界の作法、現場の実務や作業を順番に教えていくことになります。本人の意向を尊重して好きにやらせる、目的を説明せずに思い付いた仕事を任せる、というスタンスでは本人の成長には繋がりません。
また、通り一辺倒の教え方ではなく、本人の性格や特徴を踏まえた伝え方にできるかどうかがポイントです。
特に今年度の新入社員については、相手に考えさせる、相手の意見を尊重するスタンスではなく、指示や依頼の内容をしっかりと伝えていく方が、より効果的に成長を促せるのではないかと感じています。
時間とコストをかけて採用した新入社員は、貴重な財産です。そして、新入社員の成長スピードは、教える側のさじ加減で決まります。
優しさと厳しさの両面で、新入社員の成長をサポートしていきましょう。