組織の一員として行動できるように!緊密なコミュニケーションで、周りの期待に応えるアクションを
【職場づくり|第3回】
一人で仕事は完結できない!ビジネスパーソンには、高いコミュニケーション能力が求められる
組織で働くビジネスパーソンは、社内外の多くの方々と接点を持ち、関係性を構築して仕事に取り組んでいます。これは会社を経営している方、個人事業主の方も同様で、すべての仕事、すべての業務を一人で完結することはできません。
現在は各業務の専門性が高くなってきたために、適材適所の徹底、役割分担と権限の明確化、アウトソーシングを上手に活用しながら、複数名が協力して取り組むのが一般的となりました。
故に、ビジネスパーソンにとって、コミュニケーション能力のブラッシュアップは極めて重要です。
自分のことを正確に伝える、相手のことを正確に理解することは簡単なようで実は難しく、言葉、表情、態度を上手に組み合わせてやり取りできるかがポイントとなります。
■ メッセージを正確に伝えるために
- 言葉を紡ぐ
- 表情を作る
- 態度で示す
人は、コミュニケーションを通じて期待、役割、情報などを伝えます。それを受けた人は、頭や体を動かして応えます。
- コミュニケーションの手段、アプローチをいくつ持っているか?
- 相手に合わせた手段、組み合わせを実践できているか?
- 相手に伝わったかどうかを確認しているか?
伝え方はさまざまで、内容の重要度、緊急度、タイミングによって最適なコミュニケーションを実践できるかが問われています。
高いコミュニケーション能力のベースとなるものは、相手基準で考えられる習慣と細かな配慮ができるかどうか、ではないでしょうか。
■ 研修のご相談は、ビズハウスへ
部下、後輩として!上司、先輩になったら!3種類のコミュニケーションを使い分ける
組織における自分のポジション、業務の内容によって、コミュニケーションを取る相手は異なります。上司や先輩、部下や後輩、ならびに外部の方に対して、3種類のコミュニケーションを使い分けて関係性を構築していきましょう。
■ 社交的コミュニケーション
初対面の際、また、これから緊密な関係を構築したいタイミングで行うコミュニケーションです。
相手にどのような第一印象を与えられるかがポイントで、顔の表情や態度の見せ方に注意しましょう。また、会話の導入時の話題、何を聞き出して共通点を見つけ出すかなど、複数のパターンを準備しておくことをお薦めします。
尚、外見、話し方、話す内容のうち、何が相手に影響を与えているのかを法則にした有名な実験があります。メラビアンの法則、と呼ばれるもので、人は外見に影響を受けやすいという結果でした。
メラビアンの法則 ※人は何から影響を受けるのか?
- 外見 55%
- 話し方 37%
- 話す内容 8%
クライアントへの提案、プレゼンテーションの際に、身だしなみを疎かにしてしまうと伝わるものも伝わりません。クライアントに有意義な内容であっても、時間をかけて作り込んだ資料であっても、正確に伝わり理解される可能性は極めて低くなってしまいます。
装いはメッセージ!相手に与えたい影響を体全体で表現できるように、清潔感と親しみやすさを大切にしましょう。
■ 伝達的コミュニケーション
ビジネスコミュニケーションの大半は、伝達的コミュニケーションがベースであると言えます。正確に情報を伝えることを目的としたものであり、報告、連絡、相談、説明はここに属します。
伝達をする側と受ける側、誰もがどちらの立場になる機会があります。
- 事前の相談、事中の連絡、事後の報告を受けた際に、適切なアクションを取れていますか?
- 部下、後輩からのコミュニケーションに対して肯定から入り、未来への道筋を示せていますか?
伝達を受けた際は、解説、援助、補助、命令によるアクションで必ず応えるようにしましょう。何もアクションしなければ、相手とのコミュニケーションはそれをきっかけに途絶えてしまうでしょう。
■ 説得的コミュニケーション
協力をお願いしたいとき、何かの同意を得たいときに行うコミュニケーションです。こちらの方針や考え方について相手から同意を得る行動であるため、分かりやすく、論理的な構成で、熱量を持たせた伝え方が必要になります。
依頼、説得、命令、忠告など言い方はさまざまですが、他2種類と比較して最も頭を使い、最もエネルギーを消費するコミュニケーションと言えるでしょう。
コミュニケーションは、送り手と受け手の間で複数のステップを経て完結する
コミュニケーションを分解すると、送り手から受け手へ、受け手から送り手へ、複数のステップがあることが分かります。
コミュニケーションが上手にいかないのは、ステップのどこかに原因がある可能性があります。受け手、送り手、それとも双方に問題があるのか、原因を見つけ出して改善してください。
■ コミュニケーションプロセス
- (送り手)記号化する
- (送り手)伝達する
- (受け手)解読する
- (受け手)反応する
- (受け手)行動する
- (送り手)フィードバックする
コミュニケーションは、送り手によるメッセージの記号化からスタートです。伝えたい内容、メッセージが正確に伝わるように、体全体で表現しましょう。
メッセージを記号化する
- 言語化 話す、書く
- 非言語化 表情、態度、相手との距離
記号化した後は、最適なチャネルで相手に伝達するステップです。
ここ最近はSNSやコミュニケーションツールの多様化により、相手と繋がる手段に困ることは無くなりました。但し、それは繋がるための「回線」であって、回線があるから円滑なコミュニケーションが担保される、という訳ではありません。
伝達内容によって最適なチャネルは異なり、チャネルの使い方によって、相手の理解度は全く異なります。送り手がどれだけのチャネルを持ち、相手に合わせた組み合わせで伝達できるかがポイントになるでしょう。
- どのタイミングで、どの回線を使うか?
- 対面で伝えるか、オンラインで伝えるか?
次は、メッセージを受信した受け手のアクションになります。言語化、非言語化されたメッセージを解読して、それに対する反応を行動で送り手に伝える流れになります。
受け手は、送り手のメッセージを正確に解読するスキルが求められます。また、行動に移る時間は、より短い方が評価されます。理解力と瞬発力のブラッシュアップは、ビジネスパーソンとして日常的に取り組まなければならないタスクと言えるでしょう。
最後は、受け手からの行動に対する送り手からのフィードバックです。良いのか悪いのか、終わるのか続けるのか、何がしかの回答を行うことで、コミュニケーションの一ターンが終了です。
■ 送り手の注意点
- 結論から先に伝える
- 大局から詳細に入る
- メッセージの目的を明確にする
- 主観と客観、事実と意見を分ける
■ 受け手の注意点
- 必ず解読、反応、行動する
- 独りよがりの解釈をしない
- アクションの期限は厳守する
- 先入観を持たずに、まずは受け入れる
円滑なコミュニケーションが取れるほど、迅速な意思決定、早期の問題解決に繋がります。現在の職場やチームのコミュニケーションに問題は無いか、改めて確認してみましょう。
風通しのよい職場環境は、社員一人ひとりの意識とスキルアップがあってこそ!