【ファイナンス|第1回】

低いコストで調達したい、高いリターンで運用したい!コーポレートファイナンスの全体像

企業経営はいかにお金の流れを円滑にできるか、手元に多くのお金を保有できるかが最も重要であると言っても過言ではありません。経営者はもちろん、企業を取り巻くステークホルダーにとっても、この見解は一致しているのではないでしょうか。

  • より低いコストで、資金を調達したい!
  • より高いリターンで、資金を運用したい!

コスト(%)とリターン(%)の乖離が大きいほど、利益やお金を生み出していることを表します。新しいビジネスを展開する、または既存のビジネスを改善する際には、この乖離を大きくするために何をすべきかを考えて行動しなければなりません。

このようなコストやリターンの検証には、ファイナンスの知見は非常に有意義です。数値をもとに解答や方向性を導き出すことができるため、その結果には客観性と納得性を備えることができるからです。

ファイナンス理論を経営に取り入れて企業全体の舵取りすることは、経営者の一つの手腕ではないかと思います。

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企業活動に伴うお金の流れを把握する

企業活動はお金が無ければスタートすることはできず、お金が無ければ続けることはできません。経営者は必要な資金をどこからどのように調達するかについて、最優先事項として考えなければなりません。

最も有利な条件で調達できるように、最適な相手をパートナーを探し出して、最善の手段を講じる必要があります。

■ 資金調達先

  • 銀行
  • ファンド
  • ベンチャーキャピタル など

■ 資金調達手段

  • 増資
  • 借入
  • 社債
  • クラウドファンディング など

資金調達が完了した後は、その資金をより高いリターンで運用する局面に入ります。

リスクとリターンを天秤にかけて、将来に資するお金の使い方を考えなければなりません。

■ 資金運用活動

  • M&A
  • 福利厚生
  • 設備投資
  • 新規事業開発 など

コーポレートファイナンスは、最適な調達、最適な運用を定量的に評価することができる知見です。言い換えれば、さまざまな条件や仮定を置いて未来の数字を検証する、将来を可視化するノウハウとも定義できます。

経営企画や事業投資など高度な業務に携わるビジネスパーソンにとって、組織を運営する、ビジネスを検証する際の一つのアプローチとして必要不可欠なスキルではないでしょうか。

経営にファイナンスを取り入れる!何を目的とした考え方か、理解を深めることからスタート

コーポレートファイナンスとは、欧米から日本に入ってきた金融に関する理論です。非常にシンプルな考え方で、株主に帰属する価値の最大化を第一の目標としています。

欧米企業はまさに株主ファーストの経営を展開しており、ファイナンス理論が企業の経営方針を下支えしているとも言えるでしょう。

ファイナンス理論は、4つの場面で活用することができます。

■ 運用

  • 計画値と実績値を確認する
  • 現状を踏まえた将来設計を具体化する
  • 目標、理念、ビジョンとの整合性を評価する など

■ 調達

  • 最適資本構成を徹底する
  • 金融機関への負債コストを評価する
  • 投資家への株主資本コストを評価する など

■ 投資

  • 投資リターンを試算、検証する
  • 投資パフォーマンスを管理する
  • 株主価値を最大化するためのガイドラインを策定する など

■ IR活動

  • ステークホルダーとのコミュニケーション
  • 自社の商材や取り組み、メッセージについて情報発信する など

経営にファイナンスを取り入れることで得られる効用は大きいとされています。理論株価の算出、ビジネスリスクの把握、プロジェクトの経済的価値の評価など、複数の予想シナリオや不確実性を数字に落とし込み、将来を数値化して検証できるからです。

重要な判断が求められる局面では、ファイナンスの観点からどのような解を導き出せるかを考えてみましょう。

【アーカイブ|ファイナンス】

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