【損益計算書|第7回】

経常利益で会社の力を知る!

一年間の頑張りが数字に表れる!会社全体の力を知りたいときは、経常利益で

ビジネスの現場では、「ケイツネ」というワードが頻繁に出てきます。ケイツネとはまさに経常利益のことで(経常の音読み)、経営企画や営業の現場で耳にする機会は多いのではないでしょうか。

経常利益は、営業利益に営業外収益を加算し、営業外費用を控除して計算します。

「営業外…」については第6回記事でもご紹介しましたが、主に金融取引に関する収益、ならびに費用と理解すればOKです。よって、経常利益とは、一年間の営業活動の結果(営業利益)に、金融取引の結果を反映した金額という位置付けになります。

まさに、営業活動と資金繰りを合わせた会社全体の力が数字で表されたものと言えるでしょう。

■ 経常利益を大きくするには?!

  • 株式に投資する → 受取配当金が増える
  • 不動産に投資する → 受取家賃、受取地代が増える
  • 資金繰りを借入金に頼らない → 支払利息を減らす など

尚、営業外収益が営業外費用よりも大きい金額の場合、営業利益より経常利益が大きくなります。

余剰資金を本業以外で運用して収益を得ている、多額の借入れをせずに自己資金で経営できているケースが、これに当たります。

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利益が大きいほど、会社の評価に繋がります。また、施策の選択肢を多く持つことができます。利益率を高めるにはどうすればいいのか、現状分析を踏まえてさまざまな施策を講じていかなければなりません。

■ 計算式|経常利益率

経常利益率=経常利益/売上高*100

経常利益率は、資金繰りの結果も反映された利益率であるため、営業利益率と同様に重要な経営指標とされています。

■ 2021年度経常利益率|上場会社、業界平均

  • 第1位 12.8% 鉱業
  • 第2位 7.8%  化学
  • 第3位 6.7% 水産・農林
  • 第4位 6.4% 石油・石炭製品
  • 第5位 6.1% ゴム製品
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営業利益率と経常利益率を使って、簡易的な経営診断ができます。

ライバル企業や業界平均と比較して、「自社の置かれた環境」「利益を生み出す力」 を検証してみましょう!

■ 営業利益率(高)× 経常利益率(高)

  • ビジネスモデル、資金繰りはどちらも堅調で、経営は安泰
  • 人材育成や新規事業開発など、会社の成長と拡大に繋がる中長期的な施策を講じる

■ 営業利益率(低)× 経常利益率(高)

  • 余剰資金を上手に活用できていて、金融収益が大きい
  • 潤沢な資金を何に投資してリターンを得るか、ビジネスを成長させるお金の使い方を

■ 営業利益率(高)× 経常利益率(低)

  • 資金繰りを借入金に依存してるため、利息と元本の返済額が大きな状況
  • 借り換え、借入金の一本化、借入条件の見直しなど、金融機関に対する交渉を

■ 営業利益率(低)× 経常利益率(低)

  • 販売費及び一般管理費、営業外費用、どちらもテコ入れが必要
  • インパクトが大きなコストを洗い出して、重点的に削減する

経営診断の結果を参考に、テコ入れのポイントを明確に!

【アーカイブ|損益計算書】

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