【損益計算書|第1回】

損益計算書の基本構造を知る

損益計算書は、一年間の企業活動の成績表

財務諸表の一つである損益計算書には、売上高、売上原価、売上総利益など、ビジネスパーソンにとって馴染みのある言葉が多数掲載されています。言い換えれば、ビジネスを進めていく上で、重要な要素が組み込まれている資料という位置付けにあるものです。

国内で活動しているすべての企業は、年に一度、会計基準に則って損益計算書を作成しなければなりません。上場会社であれば有価証券報告書の一部、中小企業であれば税務申告書の一部として、第三者へ提出、公表することが義務付けられています。

業種、業態、企業規模に関係なく作成されているものであるが故に、言葉の定義、並び順を理解すれば、日本国内のすべての企業の損益計算書を分析、検証することができます。

一年間の企業活動の成績表である損益計算書を読み解き、実務で活用できるように、会計の知識とノウハウを備えましょう。

ビジネスパーソンに会計スキルは必須!

■ 損益計算書

  • 売上高
  • (-)売上原価
  • 売上総利益
  • (-)販売費及び一般管理費
  • 営業利益
  • (+)営業外収益
  • (-)営業外費用
  • 経常利益
  • (+)特別利益
  • (-)特別損失
  • 税引前当期純利益
  • (-)法人税、住民税及び事業税
  • 当期純利益

因みに、損益計算書は「PL」と呼ばれることがあります。これは「Profit(黒字)」「Loss(赤字)」の頭文字を取って命名された用語です。

日常でもよく使われていますので、ぜひ覚えておきましょう。

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売上高の推移と比較で、企業規模、業績の好不調が分かる

企業は、成長と拡大を目指して日々活動しています。企業として末永く継続していくためには、より大きな売上高を計上できるようにすることが、最も優先順位の高いTODOです。

その売上高は損益計算書のトップラインにあり、売上高の金額を通じて以下のことが分かります。

■ 売上高で分かること

  • 企業規模の大きさ
  • 業績の好不調の波

売上高が大きな企業ほど、経営の規模は大きいと理解して間違いはありません。同業他社との比較、業界内のランキングを通じて、当該企業の業界内におけるポジショニングを把握することができるでしょう。

また、過去から現在までの売上高の推移から、業績の好不調を確認することができます。

成長しているか、衰退しているか、売上高の増減を見るだけでも、当該企業のビジネス環境をある程度把握することができるでしょう。

企業規模と業績の好不調が分かる

尚、2021年度の売上高トップ(国内)はトヨタ自動車(約27兆2,150億円)で、全世界におけるランキングでも第9位に入っています。

日本企業の更なる成長と活躍を、これからも期待しましょう!

■ 2021年度|売上高ランキング(国内)

  1. トヨタ自動車|27.2兆円
  2. ホンダ|13.2兆円
  3. 三菱商事|12.9兆円
  4. 日本電信電話(NTT)|11.9兆円
  5. 日本郵政|11.7兆円

売上高をアップするには、販売数量を増やすか、販売単価を上げるか

売上高は、自社の商材としてモノやサービスを第三者に提供することで計上されます。世の中の企業は売上高をアップするためにしのぎを削っていますが、そのために取るべきアプローチは2つあります。

  • 販売数量を増やす
  • 販売単価を上げる
売上アップの施策は?!

■ 販売数量を増やす

低成長市場において、他社の参入を防ぎ、圧倒的なシェアを握るために行うアプローチです。まずは量で押さえて自社の優位性を確保して、その後に規模の経済で利益を上げていく戦略と言えます。

  • 新規取引先の獲得
  • 催事、セールの実施
  • 新商品の開発、販売
  • 新事務所、新店舗の開設 
  • 自社商品のクロスセリング など

■ 販売単価を上げる

同業他社、新規参入企業との値引き競争に巻き込まれないように、自社商品の独自性、先見性を追求して付加価値を高めるアプローチです。販売方法やアフターサービスも工夫して、当該企業にしかない商品、として世の中の認知度を高めていく戦略と言えます。

  • 高品質化
  • 値引きの縮小
  • 商品構成の拡充
  • ターゲットの細分化
  • 顧客サービスの拡充 など

自社商品を継続して買っていただくには、利便性、知名度、価格など、お客様の納得を得るための努力をしていかなければなりません。

現在のビジネス環境は追い風か逆風か、業界におけるポジショニング、特徴などを考慮して、今後取るべきアプローチと具体的な施策を検討していきましょう。

【アーカイブ|損益計算書】

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