営業利益でビジネスモデルの力が分かる!価値を創造し利益に貢献しているか、経営を力強く推進するための原資に
【損益計算書|第5回】
事業・ビジネスモデルが持つ力、企業経営を推進する源泉の検証は営業利益で
損益計算書を上から順番に辿っていくと、二番目に出てくる利益が営業利益です。企業を分析、評価する際には必ずチェックしなければならない、極めて重要な位置付けにあります。
大多数の企業は、営利目的で活動しています。自社の商品・サービスの提供を通じて利益を生み出せているか、言い換えれば、営業利益を黒字にできたかどうかで、市場からの評価が分かると言っても過言ではありません。
■ 営業利益を大きくするには?!
- 売上高のアップ
- 売上原価の削減
- 販売費の削減
- 一般管理費の削減
営業利益は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除した後の金額です。
一事業、一組織として成立させるためにも、「営業利益の黒字化」を経営の必達事項としている企業が大多数ではないかと思います。
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■ 計算式|営業利益率
営業利益率=営業利益/売上高*100
第3回でご紹介した「売上総利益率」と同様に、営業利益率も高い数値が望ましい状況です。よって、営業利益率が高いほど、事業やビジネスモデルが市場から評価されている、と認識することができます。
自社、または分析対象の営業利益率を、ライバル企業や業界平均と比較してみましょう。
■ 2021年度営業利益率|上場会社、業界平均
- 第1位 36.9% 倉庫・運輸関連
- 第2位 35.2% 海運
- 第3位 23.9% 陸運
- 第4位 12.5% 鉱業
- 第5位 11.2% ゴム製品
- ▲30.9% 全業種平均
尚、売上総利益率と営業利益率を使って、簡易的な経営診断ができます。何と比較するかによって得られる結果は異なりますが、市場におけるポジショニング、自社の経営の良し悪しを簡単に知ることができるので、非常に便利なフレームワークです。
こちらもライバル企業、業界平均、全産業平均、目標数値などをサンプルとして経営診断に取り組んでみてください。今後の施策を考える際に、一つの材料になるでしょう。
■ 売上総利益率(高)× 営業利益率(高)
- しっかりと利益を計上できていて、事業としては安泰
- 売上をより伸ばしていくための施策に注力
■ 売上総利益率(低) × 営業利益率(高)
- 販売費及び一般管理費の使い方が上手、余分なコストの洗い出しと削減を徹底
- 例)広告宣伝費をかけずに口コミで勝負、テレワークを推進して本社スペースを削減(家賃の削減)など
■ 売上総利益率(高) × 営業利益率(低)
- 販売費及び一般管理費の使い方が下手、必要以上のコストを計上している可能性
- 例)必要以上の特別ボーナスの支給、遊休資産の保有など
■ 売上総利益率(低) × 営業利益率(低)
- 売上原価、販売費及び一般管理費、ともにテコ入れが必要
- 固定費、変動費の内訳を確認して、利益にインパクトを与えるコストを重点的に削減
【アーカイブ|損益計算書】
- 1|売上高 企業規模が分かる、業績の好不調が分かる
- 2|売上原価 自社の商材を提供できるカタチにするまでにかかったコスト
- 3|売上総利益 商品・サービスの力や付加価値が分かる
- 4|販売費及び一般管理費 経営や組織運営に関するほぼすべてのコスト
- 6|営業外収益・営業外費用 金融取引ならびに本業以外の取引に関するコスト
- 7|経常利益 金融取引を含めた会社全体の力が分かる
- 8|当期純利益 株主還元と将来への投資の原資
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