【損益計算書|第3回】

売上総利益で商品力を知る!

粗利益とは売上総利益のこと!利益の源泉を大きくすることに注力を

損益計算書を上から順番に辿っていくと、一番初めに出てくる利益は売上総利益です。俗に粗利益と呼ばれており、ビジネスの現場ではよく耳にする単語ではないでしょうか。

一年間を通じて最終的に手元に残る利益の原資は売上総利益であることから、黒字になるか、黒字を大きくできるかは、売上総利益の金額にかかっていると言っても過言ではありません。

そのため、売上総利益を経営計画の目標数値に設定するなど、その推移を注視する企業は多い印象です。

利益の原資は売上総利益!

■ 売上総利益を大きくするには

  • 売上高のアップ
  • 売上原価の削減

世の中に受け入れられたもの、消費者やクライアントのニーズに応えられたものは売れます。多く売れれば売れるほど、早いタイミングで固定費を回収することができ、利益は大きくなっていくという構図です。

そのため、売上総利益は会社が提供する商品、サービスが持つ力や付加価値を表すもの、として評価されています。

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売上総利益率は高い方がOK!業界平均、同業他社、過去の数値と比較して現状を把握する

財務分析で自社のポジショニングを確認!

■ 計算式|売上総利益率

売上総利益率=売上総利益/売上高*100

利益率は、より高い数値であることが良しとされます。理由は簡単で、売上高のうち、何割が利益として手元に残ったかを表している指標だからです。売上総利益率も同様で、より高い数値であるほど良しとされます。

ゆえに、売上総利益率の良し悪しを把握することで、今後何を取り組めばいいのかを明確にすることができます。言い換えれば、攻めの施策(売上高のアップ)を取るべきか、守りの施策(売上原価の削減)を取るべきかを定量データをもとに判断することができるのです。

まずは自社の売上総利益率を計算してから、比較する相手を決定しましょう。

あるべき姿や目標を実現するにはどの程度の売上総利益率が必要かを念頭に、サンプルと比較して、自社(または、分析対象)の市場におけるポジショニングを把握してみてください。

■ 比較サンプル

  • 業界平均
  • 全業界平均
  • 同業のトップ企業
  • 同業で同エリアの企業
  • 同業で規模の近い企業 など

■ 2021年度売上総利益率|上場会社、業界平均

  • 第1位 51.7% 医薬品
  • 第2位 44.1% 小売業
  • 第3位 42.9% 情報通信業
  • 第4位 42.3% ガラス、土石製品
  • 第5位 38.9% 精密機器
  • 31.5% 全業種平均

市場におけるポジショニングを知ることで、今後の取るべきToDoが見えてくるでしょう。

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