人的資本への投資を重視!社員研修を学び、気付き、コミュニケーションの場として、長期的な取り組みに
【施策立案|第2回】
人への投資は重要な経営ミッション!国を挙げて人的資本への投資をサポートする体制に
昨今のニュースで「人的資本への投資」というキーワードが取り上げられる機会が増えています。これまでも「人への投資」は重要な取り組みではあったものの、M&A、新規事業開発、設備投資など、目に見えて形に残る投資を重視する企業が大多数でした。
これらの投資は、投下資本がそのまま貸借対照表(資産の部)に表記されるため、投資の事実と実績をステークホルダーにアピールしやすい、という特徴があります。ステークホルダー側も、投資の規模、金額、内容、回数、成否などを定量的に評価することができ、双方で利害は一致している状況でした。
一方の人的資本への投資は、決算書では「費用」として計上されるケースが大多数です。給料アップ、特別ボーナス支給、福利厚生制度の拡充、資格取得支援、社員研修などは投資では無く、費用(コスト)という印象を与えてしまっています。
人への投資は、根気強く、中・長期的に取り組まなければ効果は表れません。
実際に効果が表れるか、いつ表れるかは計りにくく、負担のイメージが先行しているのが実状ではないでしょうか。
このような現状を変えるべく、今後は人への投資を重点的に行うよう、国全体で後押ししていく流れになりました。まずは上場企業から、2023年度の有価証券報告書に、人的資本への投資に関する記載を義務化する方向で議論が進んでいます。
柔軟な思考と新しい価値の創造は、人間が担う役目です。最新のクラウドツールや機械、設備を導入しても、それらを扱う人間の成長が無ければ、期待通りに使いこなすことはできません。
人材の成長は、会社の成長の礎です。
人への投資を是とする環境を理解して、会社は積極的な投資を!ビジネスパーソンは能動的にリスキリングを!
「人的資本へ投資」の具体的な中身とは?!
何かに投資をする際には、目的とゴールを定めてからスタートです。人的資本への投資も同様で、これらを明確にしなければ、期待する効果やメリットを得ることは難しいでしょう。
人材のあるべき姿、職場環境の理想のカタチとは?
これらを定めてから、それを実現させるための施策や手段を構築する、という流れで具体的な中身を検討していきましょう。
■ 人的資本への投資アプローチ
- 人材に投資する
- 職場環境に投資する
「人材に投資する」
従業員一人ひとりのマインドセットやスキルアップのサポート、メンタルヘルスやモチベーション維持への配慮など、OJT、OFF-JT、自己啓発の組み合わせた人材育成に関する取り組みを表します。
特に、OFF-JTに位置付けられる「研修」を施策の軸に据えるケースが多く、今後も研修ニーズは高まっていくと予想されています。
「職場環境に投資する」
働きやすい環境、制度、仕組み、雰囲気を整備することを表します。コロナ禍に入り、在宅勤務やシェアオフィスの推奨、クラウドツールの導入、オンライン化など、さまざまな投資がなされました。
また、オフィスの移転、レイアウトの変更、什器備品の取り換えなど、既存の職場をどのように良くしていくかも同時に進められています。ハードとソフトの両面から働きやすい環境を整えていく取り組みと言えるでしょう。
まずは予算を取れるか、そして、どちらにどれだけの予算を配分して施策に落とし込んでいくか。同時に複数の施策を取り組むことはできないため、予算配分の優先順位付けは必須です。
まずは無いもの、足りないものからスタートし、ニーズや変化に合わせて変えなければならないものをブラッシュアップする。
このような順番で進めてみてはいかがでしょうか?
■ 研修のご相談は、ビズハウスへ
社員研修を人的資本への投資の軸に!学び、気付き、コミュニケーションの機会を長期的に提供できるように
会社が提供する代表的な人的資本への投資の施策が、社員研修です。時間と資金を投入した重要なイベントになるため、充実した内容を提供しポジティブな感想が得られるよう、各社の人事部を先頭に取り組まれています。
最近はリスキリングという新しいキーワードが出てきました。学び直し、リカレントなど、他にも同じような言葉はありますが、大事なことは、ビジネスパーソンの一人ひとりが学び続ける意欲を持つことだと思います。
■ リスキリングとは
技術革新やビジネスモデルの変化に対応するために、新しい知識やスキルを学ぶこと
社員研修は、一日、または半日で行う場合が一般的です。受講者のスキルレベル、モチベーションなどを考慮して、現場のファシリテートを上手にこなせるかがまさに講師の見せどころになります。
- 多くを詰め込み過ぎると、消化不良に
- 中身が軽薄過ぎると、間延びに
何を目的とゴールにするのかを定めてから、カリキュラムに落とし込んでいきましょう。場合によってはこのタイミング(検討段階)に研修会社へ相談するのも一手で、意見やアドバイスを貰いながら一緒に考えていくのもお薦めです。
■ 研修テーマ|マインドセット系
- リーダーシップ
- マネジメント
- モチベーション
- メンタルヘルス
- 思考力アップ など
■ 研修テーマ|スキルアップ系
- 会計
- ファイナンス
- 業務改善
- PDCA
- プレゼンテーション など
継続した育成と教育が、社員の成長、会社の発展を促します。また、会社が社員に投資をしている、という理解も、継続すること浸透していくものです。
人材育成、社員研修は、効果が表れるまでに時間がかかります。根気強く、取り組んでいきましょう。
【アーカイブ|施策立案】
- 1|多様な施策を7つの経営資源と4種類の行動に落とし込む
- 3|選択肢を多く持ち、その時々の最善策を判断、実行できるように
- 4|緊密なコミュニケーションで、お金と情報が得られる関係性に
- 5|忙しいビジネスパーソンほど、タイムマネジメントが上手!