ROEで企業活動を紐解く!

財務分析 第3回

■ 財務分析 Archive

ROEは大企業ほど重要な指標に!株主からの期待に応えられる経営を

数ある経営指標の中で、ROEを重視する企業が増えています。上場企業、グローバルに展開している企業、ファンドから資金を調達している企業に、その傾向は強く表れている印象です。

特に国内の上場企業クラスに対しては、ROEが5%に達しない企業の取締役選任議案には反対を推奨する議決権行使助言会社が出てくるなど、株主重視の経営に注力できているかに重きを置く傾向になりました。

企業を取り巻くステークホルダーは多数存在しますが、その中でも株主のポジションは頭一つ抜けています。海外では大企業ほど株主重視、株主最優先の経営が鮮明になっており、日本国内のグローバル企業もその要求に応えていかなければなりません。

■ 企業を取り巻くステークホルダー

  • 株主
  • 経営者
  • 従業員
  • 取引先
  • 金融機関
  • 地域社会
  • 行政機関
  • 地域社会 など

株主に還元する利益の確保と還元は、現在の企業経営において考えなければならない重要な事案と言えるでしょう。

ROEは、株主から預かった資本を効率よく活用できたか、利益に結び付けることができたかを検証する指標です。ROEが高いほど、少ない資本で利益に結び付けられていると評価されます。

■ ROE計算式

Return On Equity = 当期純利益 / 自己資本(純資産)* 100

2020年度、日本の上場企業におけるROEの中央値は約6%です。(平均値は約▲9%、コロナ禍で業績が悪化した企業の業績が影響)。ROEは8%以上であることが望ましいとされており、各企業はそこをベンチマークとしてしのぎを削っています。

■ 企業研修のご相談は、ビズハウスへ

ROEを紐解いて、収益性、効率性、安全性を検証する

ROEの向上には何をテコ入れすれば効果的かを把握するアプローチとして、デュポン分析があります。1919年、アメリカのデュポン社によって発案されたこの分析方法は、現在も業績発表の場や経営マネジメントの際に活用されています。

ROEをデュポン分析で紐解くことで、現在の収益性、効率性、安全性の実態を把握することができます。現状を踏まえて、ROEを改善する糸口を見つけることができるでしょう。

■ デュポン分析

ROE = 当期純利益率 * 総資産回転率 * 財務レバレッジ

  • 当期純利益率 = (当期純利益/売上高)* 100
  • 総資産回転率 = (売上高/総資産)* 100
  • 財務レバレッジ = (総資本/自己資本)* 100

ROEにインパクトを与えている要素は何か、ROEを向上させるために出来ることは何か、自社の特徴を把握してみましょう。

デュポン分析で実態を把握!

■ 当期純利益率

1年間の企業活動を通じて、売上高のうち最終的な利益にどれだけ繋げることができたかが分かります。利益率が高いほど、高付加価値のビジネスモデルを提供できている、会社全体としての競争優位性は高い、と評価することができます。

当期純利益率を上げることが、ROEの向上に繋がります。同利益率を向上させるには、3つの指標に注目して改善を続けましょう。

  • 売上高成長率 上げる
  • 売上原価率 下げる
  • 販管費率 下げる

■ 総資産回転率

保有している資産を使って、どれだけ効率的に売上高を計上することができたかが分かります。回転率が高いほど、無駄な資産を持たず効率的にビジネスを展開できている、売上を計上できていると評価することができます。

総資産回転率を上げることが、ROEの向上に繋がります。同回転率を上昇させるには、2つの指標に注目して改善を続けましょう。

  • 流動資産回転率 上げる
  • 固定資産回転率 上げる

■ 財務レバレッジ

会社全体の資金調達(総資本)のうち、株主が払い込んだ資本金ならびに毎年の利益の蓄積について、その割合を指標化したものです。返済義務のない自己資本が大きいほど、財務の安全性、安定性は高いと評価することができます。

自己資本を小さくすることが、ROEの向上に繋がります。但し、自己資本ではなく、他人資本(金融機関からの借入など)による資金調達を推奨している訳ではありません。

自己資本比率は高い方が評価される指標でもあるため、多様な資金調達手段を取れているかを検証してください。

自社のビジネスモデルの強み、特徴を生かして、株主からのプレッシャーに応える

業種、業態によって、ROEの平均値は異なります。自社のROEをさまざまなサンプルと比較して、自社のポジションを確認してみましょう。定量的な分析により、自社に今何が必要か、何をすべきか、おのずと答えが見えてくると思います。

  • 全産業のROEと比較する
  • 業種、業界のROEと比較する
  • ライバル企業のROEと比較する

ステークホルダーの中で一番力を持っている株主の納得を得るために、ROEの向上は企業経営の永遠のテーマと言えるでしょう。

■ ビズハウスが提供する社員研修|会計研修オンラインプログラムの詳細はこちら

会計研修をオンラインで!
Please follow and like us: