【キャッシュフロー計算書|第2回】

手元資金は潤沢に!

潤沢な手元資金が、経営の選択肢を広げる!営業活動、ビジネスモデルで入金超過となるように

企業経営、組織運営を円滑に進めていくには、何よりもお金が必要です。手元資金が増えるほど、経営の自由度、施策の選択肢は広がるため、潤沢な手元資金を維持できるように、会社全体で最適な判断と行動が求められます。

手元資金を増やす上で最も重要なのは、日常の営業活動において、どれだけお金を生み出せているかです。営利企業である以上、利益を出すこと、手元流動性を高めることは必須と言えます。

■ 手元資金をどうする?!

  • 使う|設備投資、人材育成、賃金アップ、M&Aなど
  • 残す|市場環境悪化への備え、高額投資への積み立てなど
使うか、残すかは経営判断!

日常の営業活動に関するお金の流れ、結果を表した数字が、「営業活動によるキャッシュフロー」です。商材の販売やサービスの提供に伴う入金はプラス、材料の仕入れやサービスの提供に伴う出金はマイナスとして計上されます。

言わずもがな、キャッシュフロー計算書の中で最も重要な数字であり、プラスであること、プラスが継続している状態が望ましいでしょう。言い換えれば、プラス幅が大きいほどビジネスは成功している、ビジネスモデルとして確立していると評価してOKです。

逆にマイナスの場合には、資金繰りに窮していないか注意が必要です。リストラや業務改善など、出金削減と入金超過に繋げるための施策を講じていかなければなりません。

本業で稼いでこそ、会社の存続、成長へと繋がります。

■ 営業キャッシュフローがプラスの場合

  • お金を生み出すビジネスモデル、商材を備えていることが分かる
  • 設備投資、借金返済にお金を回すことができる
  • 本業で儲けることは、会社を続ける上で必須

■ 営業キャッシュフローがマイナスの場合

  • 会社の設立当初、ビジネスの過渡期には致し方なし
  • 設備投資、借金返済のために、何がしかの方法で資金調達が必要
  • マイナスが何年も続いている場合には、日常の資金繰りから注意

未来への投資は継続的にしっかりと、不要な資産は売却して現金に

成長には、投資は必須!

会社を成長、拡大させていくには、未来への投資は必須です。有形無形、大小さまざまな投資に関するお金の流れ、結果を表した数字が「投資活動によるキャッシュフロー」になります。

過去に投資した資産を売却した際の入金はプラス、設備投資やM&A、事務所や工場の新設に伴う出金はマイナスとして計上されます。投資に対して積極的なスタンスか否かを確認するには、投資キャッシュフローを分析することで知ることができます。

但し、投資すればOKという訳ではありません。何にいくら使ったのか、使った後は予定通りリターンに繋げられているかを時系列で評価する必要があります。

また、過去に投資した資産について、理由はさておき、現在活用していないものは「不要な財産」と言えるでしょう。遊休資産、不要資産を売却(現金化)して、スリムで筋肉質な企業体質、資産構成であることが理想とされています。

成長、発展を目指すには、将来への投資を続けることが大切です。

必要なときに、必要な対象に、大胆な投資を。ビジネス環境の変化に合わせて、時代遅れの不要な資産は早期に売却を。

■ 投資キャッシュフローがプラスの場合

  • 資金繰りが窮した結果、資産を売却して資金を確保した可能性
  • 経営状態、資金繰りの悪化を疑い、財務内容の精査を

■ 投資キャッシュフローがマイナスの場合

  • 会社を発展させる投資、資金を有意義に活用させる投資を実施
  • 成長を継続できるように、大胆かつ戦略的な投資を

資金調達はどこから、どのように?!必要なときに、必要な調達ができるように

お金の流れは円滑に!

昨今、資金調達の手段は多様化しました。一昔前は、株主からの出資か金融機関からの借り入れかの2パターンでしたが、新興市場への上場、クラウドファンディング、ファンドやベンチャーキャピタルなど、資金調達のためのインフラや手段は格段に増えてきました。

資金調達に関するお金の流れ、結果を表した数字が「財務活動によるキャッシュフロー」です。金融機関や投資家から資金調達した際の入金はプラス、資金返済や配当金による還元に伴う出金はマイナスとして計上されます。

■ 財務キャッシュフローがプラスの場合

  • 金融機関からの借入、社債の発行、投資家からの出資により資金を調達
  • 未来への投資に伴う前向きな資金需要であれば、問題なし

■ 財務キャッシュフローがマイナスの場合

  • 借入の返済、配当金の支払いが進んでいる状況
  • 営業CFが投資CFに回らず借金返済に充てられている場合は、資金繰りに窮している可能性

資金調達をするには、コストがかかります。

手元流動性は高めたい一方で、必要以上に調達する必要はありません。会社全体の資金繰り、借入と返済のバランスを見ながら、必要な量だけを都度調達できるように準備してくことが大切です。

金融機関と良好な関係を保つことは、経営の安定に繋がります。

■ 会計研修のご相談は、ビズハウスへ

【アーカイブ|キャッシュフロー計算書】

Please follow and like us: